- きょう
- I
きょう【京】(1)皇居のある土地。 みやこ。
「藤原~」
(2)京都。「~の三条大橋」
(3)数の単位。 兆の一万倍。 一〇の一六乗。 けい。 [塵劫記](4)いろは歌の終わりにつける語。~に田舎(イナカ)ありにぎやかな都にも, まだひらけていない田舎めいた所がある。~の着倒(キダオ)れ京都の人は着道楽をして財産を費やしてしまうということ。 「大阪の食い倒れ」に対していう。~の夢(ユメ)大坂の夢夢物語をする前に唱える言葉。~へ筑紫(ツクシ)に坂東(バンドウ)さ室町時代の諺(コトワザ)。 方向を示す助詞として, 京都では「へ」, 九州では「に」, 関東では「さ」を使うことをいったもの。 「実隆公記」「四河入海(シカニツカイ)」, ロドリゲスの「日本大文典」などに記されている。IIきょう【今日】現在過ごしつつある, この日。 本日。「大会は~開催される」
~あって明日(アス)ない身(ミ)人生の無常なことのたとえ。~か明日(アス)か(1)日数を数えて心待ちにするさま。「~と待つ」
(2)その日が近くにせまったさま。「~の命」
~という今日今日こそは。〔「今日」を強調していう語〕~の情(ナサケ)は明日(アス)の仇(アダ)人情の変わりやすいことのたとえ。~の後(ノチ)に今日なしきょうという日は二度と巡ってこない。 一日一日を大切にせよという意。~は人の上(ウエ)明日(アス)は我が身(ミ)の上きょうは他人に振りかかった災難でも, あすは自分のこととなるかもしれない。 災難というものは, いつ襲ってくるかわからないものである。 今日は人の身, 明日は我が身。IIIきょう【侠】おとこぎ。 侠気。IVきょう【凶・兇】運が悪いこと。 縁起が悪いこと。 不運。 不吉(フキツ)。⇔ 吉Vきょう【卿】※一※ (名)(1)律令制で, 八省の長官。 また, 明治の太政官制の各省の長官。(2)大納言(ダイナゴン)・中納言・参議以上の官, 三位(サンミ)以上の位の人。 けい。 大臣を公というのに対していう。(3)(代名詞的に用いて)相手の貴人を敬っていう。 あなたさま。※二※ (接尾)人名に付いて, イギリスなどでの爵位をもつ人に対する敬称として用いられる。VI「ウインストン~」
きょう【境】(1)区切られた場所。「無人の~を行く」「斯(カカ)る~にはふさはしい物語り/続風流懺法(虚子)」
(2)心の状態。「無我の~」
(3)〔仏〕 人間の感覚器官と心の認識能力の対象。 眼・耳・鼻・舌・身・意の六根それぞれによって認識される色・声(シヨウ)・香・味・触・法の六境。 境界(キヨウガイ)。VIIきょう【孝】〔呉音〕(1)親によく仕えること。「あはれなるもの, ~ある人の子/枕草子 119」
(2)親の喪に服すこと。 また, 追善供養。VIII「親の~よりけにやつれ給へり/源氏(柏木)」
きょう【強】※一※ (名)強いこと。 強いもの。⇔ 弱※二※ (接尾)数量を表す名詞などに付いて, 端数を切り捨てた数字であることを表す。⇔ 弱「4メートル~」IXきょう【橋】脳幹部のうち, 上方は中脳, 下方は延髄に続き, 前方に丸く膨らんだ部分。 多数の神経繊維が複雑に走り, 三叉・外転・顔面・内耳の各脳神経の核がある。 脳橋。Xきょう【狂】名詞の下に付く。(1)精神状態の異常なことを表す。「色情~」「偏執~」
(2)一つの事に熱中する意を表す。 マニア。XI「野球~」「収集~」
きょう【狭布】古代, 陸奥(ムツ)国を中心に東北地方から貢上された, 幅の狭い布。XIIきょう【経】※一※〔仏〕〔梵 sūtra〕(1)仏の教えを記した文章。 仏の説いた言葉をそのまま伝えるという形式をとる。 三蔵の一。 契経(カイキヨウ)。(2)十二分経の一。 経のうち, 散文で記された部分のこと。 契経。(3)仏教に関する文献の総称。 {(1)}に論と律を加えたもの。※二※仏教以外の宗教の聖典。XIIIきょう【羌】青海を中心に中国西北辺境に住んだチベット系遊牧民。 漢代には西羌と呼ばれ, 五胡十六国時代には姚(ヨウ)氏が後秦を建てた。 唐代には党項(タングート)などの名で知られたが, 吐蕃(トバン)に圧迫され, 一部はその支配下に入り, 他は寧夏方面に移って西夏を建てた。XIVきょう【興】(1)心に感じる楽しさやおもしろみ。「~を覚える」「~を添える」「~をそそる」
(2)その場のたわむれ。 座興。(3)「詩経」の六義(リクギ)の一。 漢詩の表現・修辞による分類の一。 草や鳥など自然界の事物から歌い起こして, それとなく人間世界にたとえる手法。~が醒(サ)・める今まで抱いていた興味や愉快な雰囲気が失われる。 興がそがれる。「彼の一言で座の~・めた」
~に入(イ)・るおもしろがる。 興を感じて夢中になる。~に乗(ノ)・るおもしろさに心が浮かれて何かをする。 興に乗ずる。XVきょう【轎】小さい車や駕籠(カゴ)などの乗り物。XVIきょう【郷】ふるさと。 故郷。XVIIきょう【饗】酒席を設けてもてなすこと。 また, その酒食。 あるじ。 饗応。XVIIIきょう【香】将棋の駒の名。「香車(キヨウシヤ)」の略。 「~落ち」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.